ねーねー、まおすけー。
株を買ったら配当っていうお金がもらえるんだよね?
お、勉強してるなぁ。
確かに株を買ったら配当もらえるけど、それがどうした?
配当を出しまくってる会社の株を買って、ウハウハ生活しようと思ってるのさ!
とりあえず1社、配当が多い会社見つけたから、そこの株に全財産突っ込むぜ!
あ、死ぬなこいつ。
え、どういうこと。。。
それ、高配当株投資っていうんやけど、何も考えず金を突っ込んだら死ぬで。いろんな分析せなあかんねん。
今日はそのうちの一つ、配当性向について教えたろ。
今回は高配当株投資にからめて、配当性向について解説します。
高配当株投資だけに限らず、配当性向について学ぶことで財務分析の基礎知識が学べますので、ぜひ最後まで御覧ください。
公認会計士歴10年以上、日商簿記1級ホルダーのワタシ、まおすけがわかりやすく解説します。
(念の為、合格証書も載せておきますね)
配当性向の概要
まず配当性向の概要を載せておきます。
意味 | 当期の最終利益からどれだけ配当を出しているか |
---|---|
計算式 |
|
見方 | 数値が多いほど、当期の利益を多く配当に回している (ただし後述しますが、数値が大きいほどいいわけではないです) |
算出に必要な決算書と項目 | 損益計算書(P/L):当期純利益 株主資本等変動計算書(S/S):剰余金の配当 |
英名 | Dividend Payout Ratio |
これでわかった!という人は、この先を見る必要はありません。
もうちょい知りたいな!という人は続きをどうぞ。
配当性向の意味
配当性向の計算式は、
配当金 ÷ 当期純利益 × 100
です。
ただ、そもそも「配当金」と「当期純利益」の意味がわからないと指標の意味が理解できないので、サクッと説明します。
配当金とは
配当金とは、
株式会社が利益のうちのいくらかを、株主に配ったお金
です。
そもそも、株式会社のオーナーは株主です。
なので、会社が稼いだ利益はオーナーの物なので、受け取る権利があるんです。
この権利に基づいて、株主に配られたお金を「配当金」といいます。
当期純利益とは
次に、当期純利益とは、
税金の影響も含めて、その会社が最終的に出した利益
です。P/Lでいうと、一番下に出てきます。
配当金は、最終的に稼いだこの利益(当期純利益)から出されます。
(詳細は、下記の記事も併せて確認してください)
サクッと「配当金」「当期純利益」がわかったところで、次は配当性向の解説をするで!
配当性向の計算例、図解
もう一度、配当性向の計算式を見てみましょう。
配当金 ÷ 当期純利益 × 100(%)
これが意味するのは、
当期純利益のうち、どれだけを配当金に回したか
です。
株式会社は株主のものですが、利益を全て株主に配当として渡さないといけないわけでははありません。
なので、今年の利益からどれだけ株主に渡したかを示す指標が配当性向なのです。
例えば、
- 当期純利益:1,000万円
- 配当金額:400万円
という会社があった場合の配当性向の計算はこうなります。
400万円 ÷ 1,000万円 × 100 = 40%
配当性向が高い会社は、利益のうちの多くを株主に配っている、ということです。
ただ、気をつけたいのは、配当性向はあくまで配当に対する会社の姿勢だということです。
要は、
うちは利益が出たら、株主にいっぱい配るんだ!
という会社なら、配当性向は高くなりますし、逆なら低くなるということです。
また、配当性向の優劣は大小では決まらないので、気をつけてください。
極端な話、1円しか利益が出てなくても、その1円を株主に配当していたら、配当性向は100%になるのです。
え、でもやっぱり高配当株投資やるなら、とにかく配当性向って高い方がいいんでしょ?
だって利益が出ても、配らないなら意味ないもん。
残念、一概にそうとも言えんのよ。
そこも解説したろ。
配当性向が高ければよいとは限らない
配当性向は、高ければ高いほどよいというわけではありません。
理由は、以下の2つです。
- 配当性向が高すぎると、倒産、減配のリスクがある。
- 配当性向が高い会社は、一般的に成長の余地が少ない
順に解説します。
倒産、減配のリスクがある
配当性向が高いということは、利益、ひいてはお金を会社に残さないということです。するとどうなるか。
単純な話、倒産のリスクが高くなります。
会社が潰れるときは、お金がなくなったときです。
配当性向が高い、つまり利益を株主に配りまくる会社は倒産リスクが高くなるのです。
また、倒産まで行かなくても、
こんなに利益から配当してたら、会社が潰れる!!
となってしまったら、会社は配当金として配る額を減らします。
これを「減配」と言います。
もし高配当株投資をやるなら、「倒産」と「減配」は全力で避けたいことです。
配当性向だけ見て、ひたすら配当性向が高い会社に投資するのは避けた方が良いです。
配当性向が高い会社は、一般的に成長の余地が少ない
配当性向が高い、つまり利益を株主に配りまくる会社ってどんな会社かわかりますか❓
答えは、
成長の余地が少ない会社
です。
成長している会社は配当なんかせずに利益を溜め込んで、他の事業に投資して会社自体を更に成長させます。
その方が最終的に持っている株の価値自体が上がって、配当するより株主の価値が増えるからです。
逆に、配当性向が高い=利益を配当で出しまくる会社は、そういった成長する機会がないから、配当してお金を配りまくるのです。
成長しない、配当もしない、では株主がブチギレますからね。
成長しない会社はいずれ衰退していく可能性があります。
高配当株投資をするにあたっては、その会社がずっと配当を出し続けてくれるのか、別の指標も使って分析していく必要があります。
うそん、、、配当性向だけでもダメなの。。。
その意識やと、「株買う→減配→倒産→株が紙クズに」の黄金コンボ食らって、死亡確定やな。
じゃあ、何をすればいいのさ!?
少なくとも、安全性に関する分析、つまり倒産しにくいかどうかは見とくべきやな。紹介したろ。
高配当株投資で配当性向と一緒に確認すべき指標
高配当株投資をするなら、いろんな指標を見る必要がありますが、まずは安全性分析をする必要があります。
安全性分析とは、一言で言うと
起業が潰れないかを分析すること
です。一番怖いのは、会社が倒産して配当がゼロになることですからね。
主な指標は以下のとおりです。それぞれの詳細な説明はリンク先を参照してください。
この中でも、個人的には自己資本比率は最重要だと思ってます。
高配当株投資をするなら、安全性分析も行うとより効果的な分析となります。
むう、いろんな分析をしないとダメなのはわかったさ。
でも、配当性向に目安はないの?
いろんな状況があるから難しいけど、一応の目安はあるで。
解説したろ。
配当性向の目安
配当性向の目安は、30%~50%くらいが健全だと言われています。
一般に、配当性向が70%~80%を越えてくると、
この会社、かなり無理してね?
という感じになります。
配当性向は、「毎月、おこづかいの何%を使って、彼氏・彼女にプレゼントをするのか?」というイメージです。
お小遣いの70~80%もプレゼントに使ったら、自分に残るのは20~30%。
自分を成長させる余裕がほとんど残りません。
配当性向が高すぎる会社は、無理をしすぎている可能性が高い会社なのです。
ちなみに、配当性向は100%を超えることもできます。
お小遣いだけじゃなく、「今までに貯めたお金も」使って、身を削りまくってプレゼントをしているということです。
こんなの、いつまでも続くわけないですよね。
配当性向が高すぎる会社に多額の投資をしてはダメ
これは、しっかり覚えておいてください。
配当性向のまとめ
ぐぐぐ、僕の配当金で人生ウハウハ計画がつぶれてしまった・・・。
何も考えへんからやろ。
ちゃんと考えるなら、高配当株投資は立派な戦略やで。
うう。。。
とりあえず、教えてもらった安全性だけでも見てみます。。。
ま、とりあえず始めることからやな。
何でも興味持って調べてみるとええわ。
ということで、配当性向のまとめです。
- 「配当金額 ÷ 当期純利益 × 100」 で計算される。
- 当期の利益から、配当金をどれだけ出したかの割合である。
- 高ければいいという指標ではない。
- 高配当株投資をするなら、他の指標も組み合わせる必要がある。
今回は配当性向の説明をしました。
株式投資をする場合、ほぼ100%といっていいほど出てくる指標ですので、この記事で概要をしっかり把握しておいてください。
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最後に、公認会計士である私まおすけが、財務分析関連の書籍を色々と読み漁って「これは良い!」と思った書籍を5冊厳選して紹介します。
読むと、財務分析がより楽しくなります。
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