今日も何かいい株がないか物色するぜー🎵
お、いい感じに利益が出てる会社発見!全力入金!
ちょっと待て!
その会社はちゃんと効率よくキャッシュを生んでるか?
え、キャッシュ?なにそれ、美味しいの?
やっぱりか。まあ主要なのは利益やからしゃーないけどな。
でも、キャッシュは会社にとって超重要やで。
やから今日は、営業キャッシュフロー・マージンについて教えたろ。
公認会計士歴10年以上、日商簿記1級ホルダーのワタシ、まおすけがわかりやすく解説します。
(念の為、合格証書も載せておきますね)
営業キャッシュ・フローマージンの概要
指標分類 | 収益性(もうかっているかどうか) |
---|---|
意味 | 売上高が効率よくキャッシュ(お金)になっているか |
計算式 | 営業活動によるキャッシュ・フロー ÷ 売上高 |
見方 | 数値が大きいほど、効率よくキャッシュ(お金)を回収できている |
算出に必要な決算書と項目 | 損益計算書(P/L):売上高 キャッシュフロー計算書:営業活動によるキャッシュ・フロー |
英名 | Cash flow margin |
これでわかった!という人は、この先を見る必要はありません。
もうちょい知りたいな!という人は続きをどうぞ。
営業活動によるキャッシュ・フローとは
この記事では「営業活動によるキャッシュ・フロー」という単語が飛び交いますので、最初にさらっと営業活動によるキャッシュ・フローってなに?っていう説明をします。
(もう知ってる!って人は、読み飛ばしてください。)
営業活動によるキャッシュフローとは、
本業で稼いだお金
のことです。
- プラスなら本業からお金が生み出せている
- マイナスなら本業からお金が出ていっている
ということを意味します。
とにかく、プラスが大きいほど良い、と思ってもらえればOKです。
もっと詳細を知りたい人は以下の記事を見てください。
営業キャッシュフロー・マージンの計算式と意味
営業キャッシュフロー・マージンの計算式
営業キャッシュフロー・マージンの計算式は、
営業活動によるキャッシュ・フロー ÷ 売上高
です。
営業活動によるキャッシュ・フローはキャッシュフロー計算書に、売上高は損益計算書(P/L)に書いてある数字そのままです。
似たような指標で、営業利益率があります。
営業利益率は、
営業利益 ÷ 売上高
で計算されます。どちらかというと、こちらの指標の方がポピュラーです。
この指標のうち、「営業利益」を「営業活動によるキャッシュ・フロー」に変えたものが、営業キャッシュ・フローマージンです。
ふーん。で、これどういう意味なの?
ちゃんと説明したるって。
営業キャッシュフロー・マージンの意味
営業キャッシュフロー・マージンは、
売上高のうち何%が営業活動によるキャッシュフローになったのか
を示しています。
つまり、この数値が高いほど、効率的に売上がお金になっている、ということがわかります。
「売上って、そのままお金のことじゃないの?」って思った人は、下記記事を読んでくださいね。
次は簡単な計算例を解説するで!
営業キャッシュフロー・マージンの計算例
簡単な計算例を紹介します。
例えば、こんな会社があったとします。
- 売上高:1,000円
- 営業活動によるキャッシュフロー:100円
この会社の営業キャッシュフロー・マージンは、
営業活動によるキャッシュフロー100円 ÷ 売上高1,000円 = 10%
となります。
計算は超簡単だね。
で、これを計算して、何かいいことあんの?
一番大きいメリットがあるから、説明したろ。
営業キャッシュフロー・マージンのメリット
キャッシュフローはごまかせない
キャッシュフローはごまかせない。これが最大のメリットです。
会計上では、よくこんなことが言われます。
利益は意見、キャッシュは事実
どういうことか説明します。
利益について
実は全く同じ事象が起きても、利益は会社によって違うことがあります。
なぜなら、売上や費用を計上する場合に、
- 今期の売上にするのか、それとも来期以降の売上にするのか
- 今期の費用にするのか、それとも資産計上するのか
などが、会社によってやり方が違うことがあるからです。
キャッシュについて
一方、キャッシュは全く同じ事象が起きれば、全ての会社で同じ処理になります。
なぜなら、キャッシュ、つまりお金が動いたという事実はごまかしようがないからです。ぶっちゃけた話、通帳を見れば全て書いてあります。改ざんは不可能です。
これが「利益は意見、キャッシュは事実」と言われる理由です。
いいことがあるのはわかったよ。
でも、結局この数字をどんなふうに見ればいいの?
よし、じゃあ次はこの指標の読み方と注意点を説明したろ。
営業キャッシュフロー・マージンの読み方と注意点
営業キャッシュフロー・マージンを見る場合、下記の点で注意が必要です。
- 期間比較が大事
- マイナスには要注意
- この指標だけ見ていてもダメ
順に解説していきます。
期間比較が大事
営業キャッシュフロー・マージンを見る時は、期間比較が大事です。
今年の営業キャッシュフロー・マージンは15%です!
って言われるより、
営業キャッシュフロー・マージンは5%→10%→15%と年々伸びています!
って言われた方が、おお将来性ありそう!ってなりますよね。
仮に現在の値が高くても、過去からの推移で現在がどうなのか、を見るのが大事です。
年々悪化している場合は、事業の調子が悪くなっている可能性があるので注意が必要です。
マイナスには要注意
営業キャッシュフロー・マージンがマイナスの会社には要注意です。
単純に、本業からお金が稼げていないことを意味するからです。
うまくお金の回収ができていないので、そのまま行くと倒産する可能性があります。
併せて注意が必要なのは、営業利益が出ているのに営業キャッシュ・フローマージンがマイナスの場合です。
減価償却費などの影響で、通常は「営業キャッシュフロー>利益」となるので、この状態がずっと続いてる場合は筆者であれば、
利益を不正にイジってんじゃね?
という感想を持ちます。
営業キャッシュフロー・マージンがマイナスの会社には注意してください。
この指標だけ見てもダメ
営業キャッシュフロー・マージンだけを見て意思決定をするのはダメです。
営業キャッシュフロー・マージンだけ見すぎていると、企業の業績を読み見違えることがあります。代表例は前金が発生するビジネスです。
例えば、3年分のプロジェクト代を一括して前払いしてもらうビジネスなどの場合、前払いされた年は営業キャッシュ・フロー、ひいてはキャッシュフローマージンが高くなります。
(ちなみに、前払いしてもらっても一括で売上高にはならず、後々売上になっていきます)
もちろんキャッシュが入ってくるのはいいことなんですが、あくまでも前払いなので、キャッシュフローマージンだけでなく、しっかり売上高P/LやB/Sの数値も見る必要があります。
営業キャッシュ・フローマージンって、どれくらいの数字になればいいの?
一応の目安はあるから教えたろ。
営業キャッシュフロー・マージンの目安
営業キャッシュ・フローマージンの目安は、
15%
と言われています。
ただ、この数字はあまり根拠がありません。
なぜなら、業界によって利益率や構造が全く違うからです。
IR BANKやEDINETなどで、自分が投資しようと思っている会社が、同業者と比べて優れているのかを見ることが必要です。
営業キャッシュフロー・マージンのまとめ
まあ確かに現ナマって大事だよね。
これがないと何もできないもんね。
利益が出ていても潰れる会社が実際に出てたからな。
これからはキャッシュにも注目して投資してみるとええで。
はーい。
営業キャッシュフロー・マージンのまとめです。
- 効率的に売上を資金にできているかの指標
- メリットは、利益と違ってキャッシュはごまかせないこと
- 推移を見るのが大事
- この指標だけみててもダメで他と組み合わせる必要がある
- この指標を目安に投資するなら業界平均を意識する必要がある
あまりポピュラーな指標ではないのですが、知っておくと判断の幅は広がるので、ぜひこの記事で内容や見方を理解しておいてくださいね!
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