ねーねー、こないだB/Sについて教えてもらったけど、もうちょい見方を教えてくれない?
よし、じゃあ今日は自己資本比率について教えたろ。
企業が倒産しやすいかどうかを見る指標やで。
公認会計士歴10年以上、日商簿記1級ホルダーのワタシ、まおすけがわかりやすく解説します。
(念の為、合格証書も載せておきますね)
今回は財務分析の中の安全性分析の基礎として、自己資本比率の解説です。
その他の安全性指標について知りたい人は、こちらの記事をどうぞ。
▶【会計士が解説】安全性分析とは?重要な5つの指標を解説~財務分析の基礎~
自己資本比率の概要
最初に自己資本比率の概要を載せておきます。
指標分類 | 安全性(いかに会社がつぶれにくいか) |
---|---|
意味 | 総資本(負債+純資産)に占める純資産の割合 (つまり、資金調達額のうち返済不要な額の割合) |
計算式 | (純資産 ÷ (負債+純資産))×100 (%) |
見方 | 数値が多いほど、安全性が高い |
目安 | 優良:50%以上 安全:20%~30% 危険:10%未満 |
算出に必要な決算書と項目 | 貸借対照表(B/S):負債、純資産 |
もしこれで、わかった!という人は、この先を読む必要はありません。
これ見て「???」な人は続きをどうぞ。
自己資本比率とは
自己資本比率とは、
です。
この比率が高いほど会社は倒産しにくく、逆に低いほど倒産しやすいことを意味します。
うん、全然わからない。
計算方法を含めて図とか使って解説してくれない?
どんだけわがままや・・・。
まあ、しゃーない。説明したろ。
自己資本比率について
自己資本比率の計算式
自己資本比率は、貸借対照表から計算できます。
計算式は
です。
負債、純資産とは、
- 負債→資金調達額のうち、返す必要があるお金
- 純資産→資金調達額のうち、返さなくてよいお金
という意味です。
(詳細はこちらの記事をどうぞ)
つまり、自己資本比率とは、
です。
自己資本比率が高いほどその会社は返さなくて良いお金で事業を行っているので、倒産しにくいということを意味します。
数字がないとわかりにくい!計算例も出して!
わかったわかった。説明したろ。
自己資本比率の計算例
負債1,000、純資産1,000の会社があったとします。
この会社の自己資本比率の計算は、
となります。
つまり、資金調達額の50%を返さなくて良いお金で賄って事業をしている、ということです。
計算するのはいいんだけど、どれくらいの数字になったらいいの?
よし、じゃあ次は目安を教えたろ。
自己資本比率の目安
自己資本比率の目安は一般的に
- 優良水準:50%以上
- 安全水準:30%以上
- 危険水準:10%以下
と言われています。
ただし、下記表のように自己資本比率は業種によってかなりばらつきがあるため、
自分の分析しようとしている会社の業種が、どこに属しているかも重要です。
業種 | 平均値(%) |
---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 69.0 |
製造業 | 51.4 |
電気・ガス業 | 23.5 |
情報通信業 | 50.5 |
卸売業 | 38.4 |
小売業 | 42.8 |
クレジットカード業、割賦金融業 | 10.1 |
物品賃貸業 | 13.1 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 43.3 |
飲食サービス業 | 45.4 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 37.6 |
個人教授所 | 36.9 |
サービス業 | 48.5 |
(2019年企業活動基本調査速報-2018年度実績-より)
んー、とりあえず、自己資本比率100%ならいいんだよね?
全くお金返さなくていいわけだし。
まあ、それも一つの見方ではあるけど、必ずしもそれがベストとも限らんで。
見方の注意点もあるから解説したろ。
自己資本比率が高ければよいとは限らない
負債ゼロ、つまり純資産のみで経営する場合、自己資本比率が100%になります。
返すお金が全くない状態です。
一見、優良企業のように見えますが、実は一概に無借金経営が良いとも言い切れません。
経営においては、借金をしてでも資金調達して投資して、事業を拡大できることがあります。
(特に成長産業は、そのケースの方が多い)
もちろん、借金ダルマはダメですが、安全性を重視しすぎず、時には借金をしてでも成長することは必要になります。
自己資本比率のまとめ
ここまで説明した自己資本比率の項目をまとめます。
指標分類 | 安全性(いかに会社がつぶれにくいか) |
---|---|
意味 | 総資本(負債+純資産)に占める純資産の割合 (つまり、資金調達額のうち返済不要な額の割合) |
計算式 | (純資産 ÷ (負債+純資産))×100 (%) |
見方 | 数値が多いほど、安全性が高い |
目安 | 優良:50%以上 安全:30%以上 危険:10%未満 (ただし、業種にもよる) |
算出に必要な決算書と項目 | 貸借対照表(B/S):負債、純資産 |
計算しやすくて、わかりやすい指標だねー。
そやねん。BSをパッと見てわかる指標やからな。
安全性分析の時に、よく使われる指標やからBSを見たらとりあえず計算してみるとええで。
はーい。
今回は、
- 自己資本比率の意味
- 自己資本比率の計算方法
- 自己資本比率の目安
- 自己資本比率の注意点
を解説しました!
BSを見れば、すぐに計算ができる超ポピュラーな指標なので、是非覚えておいてください!
この記事があなたのスキルアップのお役に立てると嬉しいです。
その他の安全性指標について知りたい人は、こちらの記事をどうぞ。
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