ああああああ、やばーーーーーい!
なんや、どうした?
うちの会社、今期末で債務超過なんだって!単語的に何かヤバそう!
ねえ、うち潰れるの!?ねえねえねえねえねえ!?
まあ、落ち着け。債務超過になったばっかやんな?
すぐ潰れるとは言い切れん。説明したるから、とにかく落ち着け。
ほ、ほんとに大丈夫なの!?早く教えてーーー!
なんとなく、債務超過という単語は聞いたことありますよね。
でも実はよく内容を知らない人も多いです。
そこでこの記事では、なんかヤバそうな雰囲気なのは知ってる、くらいの知識のあなたに債務超過の概要を説明していきます。
公認会計士歴10年以上、日商簿記1級ホルダーの私、まおすけがわかりやすく解説していきます。
(一応、証拠写真も載せておきますね)
債務超過とは
債務超過とは簡単に言うと、
のことです。
債務超過かどうかは、貸借対照表を見ればわかります。
(ちなみに、貸借対照表って何?って人は、先にこちらの記事をどうぞ)
まず前提として、
- 資産→会社の財産
- 負債→返さないといけないお金
- 純資産→「資産」から「負債」を引いたもの
ということを覚えておいてください。
(つまり、「資産=負債+純資産」になります。)
これから、正常時の貸借対照表と、債務超過の貸借対照表を見ていきます。
正常時の貸借対照表は純資産がプラス
下の図を見てください。
これは問題ない場合の貸借対照表です。
確認してもらいたいのは、「純資産」の部分です。
純資産がプラスですよね?
これは、資産が負債より多いことを意味します。
この状態であれば、資産を全部売れば負債が全て返せますので、問題ありません。
うん、これなら問題なさそうな感じだね。
次は、債務超過の場合を説明するで。
(貸借対照表の見方を詳しく知りたい人は、この記事を見てね。)
債務超過の貸借対照表は純資産がマイナス
次に、下の図の純資産を見てください。
純資産がマイナスになっていますよね?
負債が資産より多いので、純資産がマイナスになります。
これが債務超過です。
つまり債務超過とは、資産より負債が多くなっている状態を言います。
この状態になるとヤバいです。
資産を全部売っても、負債が返せない状態です。
ひいいっ。うちの会社こんな状態なんだね。
なんでこんなことになっちゃったの・・・?
よし、サクッと説明したろ。
債務超過になる原因は赤字が続くから
債務超過になる原因は、端的に言えば
です。
詳細な説明はややこしくなるので省きますが、
赤字を計上すると、純資産が減っていきます。
その年の最初はプラスの純資産だったとしても、
純資産以上の赤字を計上してしまったら、純資産が減ってマイナスになります。
これが債務超過になる原因です。
原因はなんとかわかりました。。。
で、債務超過になると具体的に何がヤバいの・・・?
よし、続いて説明するで。
債務超過がヤバい理由は2つある
債務超過がヤバい理由は2つです。
- 銀行がお金を貸してくれなくなる
- 上場廃止になる
簡単に説明します。
銀行がお金を貸してくれなくなる
債務超過は資産を全部売っても、負債が返せない状態です。
ちょっと想像してほしいんですが、そんな会社に追加でお金を貸したいと思いますか?
借金ダルマの人に追い貸しするようなもんです。
普通の人なら貸しません。
それは銀行も同じです。
つまり、債務超過になると銀行がお金を貸してくれなくなります。
上場廃止になる
上場しているということは、皆がその会社の株を買えるということです。
そして、株を買った会社が倒産したら、その株は紙クズになります。
(このへんは法律の話なので、そんなもんか、と思っといてください)
債務超過は、非常に危ない状態です。
そんな危ない会社が上場していたら、怖くて誰も株を買いません。
そのためルールとして、債務超過になったら上場が廃止されることになっています。
あれ、ヤバい理由に「絶対に会社が倒産する」っていうのがなかったね。
うち、倒産しないの?
危ないのは間違いないけど、そもそも会社が倒産するのと債務超過は関係ないねん。説明したろ。
債務超過と資金ショートの違い
実は、債務超過になったからといって、絶対に会社が倒産するとは限りません。
そもそも、会社が倒産する理由は、
です。これ以外の原因はありません。
債務超過かどうかは関係ないのです。
仮に黒字であっても倒産することはあります。
(そのへんはこの記事でも解説してるので、併せてどうぞ)
どれだけ債務超過であろうが、
誰かがお金を貸してくれてそれで支払いができれば会社は生き残ります。
もちろん、債務超過になっているということは既に解説したとおり、
- 赤字を計上してお金が出ていってる
- 銀行はお金を貸してくれない
ということなので、そのままではいずれ倒産します。
しかし、「債務超過=倒産」ではないことは知っておいてください。
そうか、債務超過で即倒産ってことはないんだね。
まあ、ヤバい状態であることには変わりないけどな。
どうやったら債務超過じゃなくなるの?
いくつか方法があるから説明したろ。
債務超過を脱する方法は5つ
債務超過を脱する方法は5つです。
- 利益を出す
- 増資する
- M&Aを行う
- DESを行う
- 借入金の免除を行う
前半2つは正攻法、後半3つはウルトラCな方法です。
順に説明していきます。
利益を出す
一番の正攻法です。
債務超過になる原因で、赤字を出せば純資産が減ると説明しましたよね?
当然、逆に黒字を出せば純資産が増えます。
黒字を続ければ債務超過ではなくなります。
増資する
純資産を増やす方法は黒字を出すだけではありません。
実は、株主からお金を出してもらうと純資産が増えます。
(専門用語で「増資」と呼ばれます。)
なので、増資をしてもらうと債務超過を脱することができます。
(詳細説明は省きますが、これくらい知っておいたら十分です。)
M&Aを行う
M&Aは色んな方法があるのですが、今回で言うM&Aとは、ぶっちゃけると会社の切り売りです。
以下の2パターンです。
- 借金ダルマの不採算部門を売っぱらう
- 採算が出ている部門を高値で売って売却益を出す(黒字を出す)
前者の方法は、不採算部門を売るので買ってくれる人は普通見つかりません。
後者の方法は、採算が出ている部門を売るので、その後が赤字だらけになる可能性が高くなります。
結局のところ、どちらも難易度は高いです。
DESを行う
DES(読み方:デス)も債務超過を脱する方法の1つです。
Debtは負債、Equityは純資産、Swapは交換、です。
つまり、DESとは
という、ウルトラCな方法です。
純資産が増えるので債務超過を脱することができます。
ただ、達成の難易度は高いです。
実は、純資産は「返さなくてもよいお金」という意味もあります。
(詳細はこちらで説明してます)
あなたがお金を会社に貸す立場で想像してください。
「純資産」になったらお金は返ってきません。
お金を貸している側からすれば、
ふざけんな、DESなんかされてたまるか!
って思うのが普通です。
一応、DESをするとお金を貸した側にとっては、
という特典があるのですが、
借金ダルマの会社の経営になんか参画したくないわ!
っていう人には特典にならないので、達成するためにはかなりの交渉が必要です。
債務免除をしてもらう
債務免除とは、簡単に言うと
です。
負債が減るので、債務超過を脱することができます。
達成難易度はMAXに高いです。
ちょっと想像してください。誰かにお金を貸して、
借金チャラにして~
って言われたら、
なめとんのか!ゴチャゴチャ言わんと金返せや!
ってなりますよね。
どんな人でもそうなります。
いかに借金をチャラにしたほうが最終的に得をするか、相手に死ぬほど合理的に説明をする必要があります。
債務超過に関するまとめ
なるほど、じゃあうちはいきなり倒産するわけじゃないんだね。
うん、まあヤバい状態であることには変わりないけどな。
なんか次の一手を考えんと、潰れるで。
うう、結局ヤバいのか。。。わかりました。。。
今回は、債務超過についてできるだけ要点をわかりやすく解説しました!
単語はよく聞くけど、詳しい内容を知らない人も多いと思うので、今回の記事が少しでもお役に立てると嬉しいです!
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