ねーねー、こないだ株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)について教えてもらったじゃん?
うん、それがどうした?
文字が違う以外に何が違うの?
お、おまえ・・・。
あんだけ解説したのに、その程度の理解か・・・。
だって、難しいんだもん。
くそ。。。相変わらず脳ミソが蟹ミソやな。
わかった、じゃあ株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の共通点と違いについて詳しく解説したるから、今度こそ頭に叩き込めよ!
公認会計士歴10年以上、日商簿記1級ホルダーのワタシ、まおすけがわかりやすく解説します。
(念の為、合格証書も載せておきますね)
株価収益率(PER)のおさらい
まず、共通点や違いの説明の前に株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の意味のおさらいから始めます。
ただ、もう知ってる!という人は、目次をクリックしてすっ飛ばしてください。
株価収益率(PER)の計算式と意味
株価収益率(PER)の計算式は、
株価 ÷ 一株あたり当期純利益(EPS)
で、この式が意味するのは、
・「株価」が「一株当期純利益」の何倍になっているか
もう少し噛み砕くと、
・「1株あたり当期純利益」で、「株価(投資資金)」を回収するのに何年かかるか
という意味です。
株価収益率(PER)の計算例
例えば、こんな会社があったとします。
- 株価:1,000円
- 一株あたり当期純利益(EPS):100円
株価収益率(PER)の計算は、
株価1,000円 ÷ 一株あたり当期純利益(EPS)100円 = 10倍
で、この式が意味するのは、
・「株価」が「1株当たり当期純利益」の10倍になっている
・「当期純利益」で、「株価(投資資金)」を回収するのに10年かかる
ということです。
株価収益率(PER)の見方
株価収益率(PER)の見方は、以下のとおりです。
- 株価収益率(PER)が高い → 割高
- 株価収益率(PER)が低い → 割安
株価収益率(PER)についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事も確認してください。
▶【図解】株価収益率(PER)とは?基礎から目安まで解説しました
次は、株価純資産倍率(PBR)のおさらいです。
株価純資産倍率(PBR)のおさらい
株価純資産倍率(PBR)の計算式と意味
株価純資産倍率(PBR)の計算式は、
株価 ÷ 一株あたり純資産(BPS)
で、この式が意味するのは、
「株価」が「一株あたり純資産」の何倍になっているか
または、
最悪、会社が倒産した場合にどれくらい投資金額を回収できるか
です。
株価純資産倍率(PBR)の計算例
計算例として、例えばこんな会社があったとします。
- 株価:1,000円
- 一株あたり純資産(BPS):500円
株価純資産倍率(PBR)の計算は、
株価1,000円 ÷ 一株あたり純資産(BPS)500円 = 2倍
となり、これが意味するのは、
「株価」が「1株当たり純資産」の2倍になっている
または
最悪、会社が倒産した場合に、投資金額の1/2を回収できる
ということです。
株価純資産倍率(PBR)の見方
株価純資産倍率(PBR)の見方は以下のとおりです。
- 株価純資産倍率(PBR)が高い → 割高
- 株価純資産倍率(PBR)が低い → 割安
株価純資産倍率(PBR)についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事も確認してください。
▶【図解】株価純資産倍率(PBR)とは?基礎から目安まで解説しました
あー、そういえばこんな意味だったねー。
忘れてたわ、あっはっはー。
ちっ、まったく。
ここからは共通点と違いについて解説するから、ちゃんと聞いとけよ。
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の共通点
2つとも株式投資における割安性を見る指標
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)は、ともに
株式投資における割安性を見る指標
という共通点があります。
2つの計算式を見るとわかるんですが、両方とも「株価」が計算式に関係しています。株価に対して、利益がどれくらいか、あるいは純資産がどれくらいか、という点を計算しているんです。
株式投資をするにあたって、当然ですが、株価(いくらで買うか)は超重要です。この値段次第で投資が成功か失敗かを分けると言っても過言ではありません。
その株価が、会社の利益や純資産に比べて割安か割高かを判定しているというのが、株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の共通点です。
・・・え、共通点ってこんなもん?
そやな。ただ、重要な共通点やで。
株価が割安か、割高かは株式投資における超重要な視点やからな。
むう、そうなのか。
じゃあ次は違いを教えてよ。
よっしゃ、説明したろ。
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の違い
PERは損益、PBRは純資産
まず大きな違いの一つとして、
- 株価収益率(PER)は、損益、つまりP/Lに着目している
- 株価純資産倍率(PBR)、純資産、つまりB/Sに着目している
という違いがあります。
株価収益率(PER)は、株価に対して損益がどれくらいの水準にあるか、という点に着目しています。要は、株価に対して会社の稼ぐ力がどうなのか、この会社に投資して(株価を支払って)ちゃんとそれ以上の利益を稼いでくれるのか、という点を重視します。
一方、株価純資産倍率(PBR)は、株価に対して純資産がいくらなのか、という点に着目しています。要は、株価に対して会社が持っている純資産がいくらなのか、最悪この会社が潰れたとしても投資した金額がちゃんと戻ってくるのか、という点を重視します。
この点は、次の違いにもつながります。
PERは将来予測、PBRは実績数値
次の違いとして、
- 株価収益率(PER)は、将来の予測数値を使う
- 株価純資産倍率(PBR)、現在の実績数値を使う
という点があります。
前述のとおり、株価収益率(PER)は、投資した金額以上に利益を稼いでくれるのか、という点に着目します。つまり、将来に向けてどうなのか、という点を重視します。なので、株価収益率(PER)を計算する際の一株あたり当期純利益(EPS)は、通常、将来の予測数値を使います。
一方、株価純資産倍率は、最悪この会社が潰れたとしても投資した金額がちゃんと戻ってくるのか、という点に着目します。つまり、今どうなのか、という点を重視します。なので、株価純資産倍率(PBR)を計算する際の一株あたり純資産(BPS)は、通常、現在の数値を使います。
PERは目安がないが、PBRは目安がある
最後の大きな違いとして、
- 株価収益率(PER)は、共通の目安がない
- 株価純資産倍率(PBR)は、共通の目安がある(1倍)
という点が挙げられます。
株価収益率(PER)は、将来の予測に関する数値です。そして実は、株価って将来の期待に大きく左右されます。
つまり、今後めっちゃ稼ぎそう!っていう業界は株価が跳ね上がりますし、逆に、もう落ちぶれていきそう・・・、っていう業界は株価が落ち着きます。なので、株価収益率(PER)は業界によってものすごく大きな差があります。
一方、株価純資産倍率(PBR)は、現在に関する数値です。
そして、株価純資産倍率は株価(投資金額)に対して最悪どれくらいの金額が返ってくるかを意味しますので、大体1倍前後で落ち着きます。皆、投資した会社が倒産した場合でも、最悪投資した金額は回収したい、と思うのが人情だからです。
PERとPBRの業界平均
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の業界平均って、どこかで見れないの?
ちゃんと計算してくれてるところがあるで!
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)は、日本の証券取引所が計算してくれています。
自分が投資したい会社の業界平均がどれくらいなのかは、しっかり把握しておきましょう。
株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の違いまとめ
ふむふむ、なるほど。
文字以外に違うところがいっぱいなんだね。
こんだけ説明したんやから、ちゃんと今度こそ頭に叩き込めよ!
えーと、とりあえず数字を使うのが共通で、使う数字が違うのが違う点、、、ってあれ?なんか混乱してきた。。。
あかんな、こりゃ。
もう一回説明したメモを読み返してこい。
今回は株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)の共通点、相違点の説明をしました。まとめると以下のとおりです。
株式投資をする場合、ほぼ100%といっていいほど出てくる指標ですので、この記事で概要をしっかり把握しておいてください。
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